【映画レビュー】聲の形

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映画「聲の形」を鑑賞してきました。原作はマガジンで連載していた漫画ですね。

鑑賞日 2016/11/18

劇場 新宿ピカデリー

以下、ネタバレを含みます。これから鑑賞予定の人はご注意ください。

あらすじ

“退屈すること”を何よりも嫌う少年、石田将也。 ガキ大将だった小学生の彼は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。 彼女が来たことを期に、少年は退屈から解放された日々を手に入れた。 しかし、硝子とのある出来事がきっかけで将也は周囲から孤立してしまう。 やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。 “ある出来事”以来、固く心を閉ざしていた将也は硝子の元を訪れる。 これはひとりの少年が、少女を、周りの人たちを、そして自分を受け入れようとする物語――。

(出典 聲の形 公式HP)

どんな作品?

実は原作をすべて読んだことなかったんですよね。数年前に読み切りとしてマガジンに掲載されてたときに読んだのが最後でした。 その時の印象は「最悪」でした。 とにかく、いじめ描写が胸糞悪くなりましたね。 そんな記憶が強く残っていたため、連載が正式にスタートしても読む気にならず、映画に関しても今の今まで見る気も起きませんでした。

ただ、世間の評判が非常にいいですよね。

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感想

いじめっ子からいじめられっ子へ

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(出典 聲の形 公式HP)
西宮 硝子 聴覚に障害を持つ女の子。

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(出典 聲の形 公式HP)
石田 将也 クラスのガキ大将的な立ち位置 西宮を積極的にいじめる。

いじめのシーンは見ていて、つらい・・・この一言でした。 やっぱり胸をえぐられるような感覚を覚えます。

小学生の頃の西宮は人との衝突を避けるために、愛想笑いが癖になっていました。
そういえば小学生パートでは心の底からの笑顔を見た気がしません。。。

西宮に対するいじめはやがて問題になり、積極的にいじめていた石田は 次第にいじめられる側に回ることになります。ただ、石田をいじめる人たちは何を思って彼をいじめていたんのでしょうか。彼らも西宮のいじめに加担していたのだから、石田を責める権利はないと思ったのですが。。。

後悔

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彼らは高校生となり、それぞれバラバラの高校に進学(一部は一緒)し、石田は小学生時代の知り合いはもちろんのこと 過去のいじめが原因で周りの人間に心を閉ざすようになっていました。

石田は過去の行為を反省し、自殺しようとさえしました。おそらく大多数の人は過去のいじめを行った ことを後悔し、あまつさえ自殺しようなんて考えないと思います。いじめっ子からいじめられっ子側に回ったことで 自分の過ちに気づき、後悔の念に苛まれるようになったのだと思います。

再会

石田は手話教室で西宮と再会を果たします。

石田、手話ができるようになってる! f:id:a-rise:20161120213429p:plain (出典 聲の形 公式HP 予告動画)

そりゃあ、西宮も驚きますよね。 f:id:a-rise:20161120213434p:plain (出典 聲の形 公式HP 予告動画)

後悔や西宮と話がしたい一心で頑張って手話を覚えたんですね。

西宮が持ってるノート、本人的には持ってるだけでも辛いと思うのですが 落とした川に飛び込むぐらい大切なノートでもあったんですね。 f:id:a-rise:20161120213440p:plain (出典 聲の形 公式HP 予告動画)

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このノートは小学校時代に石田によって学校の池に捨てられたものでしたが、西宮が池の中に入って 拾ったはずでした。

おそらくなのですが、西宮が転校を決意した時に同じ池に捨てたのではないでしょうか。 このノートを捨てたことによって、この小学校での生活を諦めを表したのだと思います。 原作6巻に答えが書いてありました。原作は未読の方もいらっしゃると思いますので、気になる方は読んでみてください。

こんな感じで西宮との再会からストーリーが進んでいくわけですが、鑑賞していると、感極まってうるっとくるシーンが多々ありました。 もっと早めに鑑賞すればよかったと、少し後悔です。

個人的ベストシーン

すごくいいなと思ったシーンは多々ありますが中でも個人的ベストシーンは以下の通り! ・教室での西宮との喧嘩
・ふたりっきりでのお出かけ
・自殺未遂
(時系列順)

教室での西宮との喧嘩

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石田は教室で自分の机を拭いている西宮を見つけ、何をしていたんだと問い詰めるシーンですね。 石田が声をかけたときにはすでに、机はきれいになっていましたが、そこにはクラスメイトからの誹謗中傷が書かれていました。それを西宮がハンカチで消していました。

自分をいじめていた石田に対して、自分のせいで今度は石田がいじめられるようになってしまったという、ある種の罪悪感を持っていたのでしょう。

このあと二人は喧嘩を始めますが、初めて西宮の感情の吐露がありました。

「私だって頑張ってるのに」

今まで感情を露わにすることはなかったのですが、我慢の限界だったのでしょう。本音を石田にぶつけてましたね。 残念ながらその気持ちは石田に伝わることはありませんでした。
彼女の本音が表現されたということで、心に残りましたね。

ふたりっきりでのお出かけ

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橋での出来事のあとでのお出かけシーンです。

西宮からの「私と一緒にいると不幸になる」

その言葉に抗うように西宮を遊びに誘い、二人っきりで出かけます。
そのシーンのラストに見せた西宮の笑顔は、小学生の時に見せた愛想笑いと同じでした。
石田との再会から、最初は愛想笑いを見せましたが、それ以降はしていませんでした。 再びこの愛想笑いをするようになったのは、自分と一緒にいて石田を不幸にしたくない葛藤と好きな人と一緒にいたい という2つの葛藤があったのだと思います。久しぶりに見た西宮の愛想笑いはすごく痛々しく感じました。

自殺未遂

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西宮家の方々と一緒に行った花火大会で事件は起こります。 こうしてみてみると、音を感じているシーンはこれまでの過去を思いだしているようにも見えますね。

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映画を見たときは、まだ原作を読んでいなかったのでこのシーンにはびっくりしました。

「私と一緒にいると不幸になる」

そう石田を拒絶しましたが、それでもその言葉に抗い続ける石田を見て これ以上、石田や周りの人間を不幸にしたくない。その思いが自殺につながったのでしょう。

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マンションから飛び降りた直後、石田は西宮の手を取り助けるのですが このシーンは映画冒頭であった橋から川に飛び込むシーンと関連していると感じました。 前回は間に合わなかったけど、今回は助けることができた。そう感じました。

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まとめ

正直、映画を見るまでは聲の形という作品は嫌いでした。
しかし、映画を見たあとは、色々なシーンを思い出すことが多く、そのたびに 内側から感情ががこみ上げてくるような感覚を覚えます。

映画を見終わったあとは「もっと早く見ればよかった。」まず第一にそれを想いました。 まだ見たことがない方は、ぜひ劇場公開中に映画館で見てみてください。 見なきゃよかった、そんな後悔はしないはずです。


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